コマーシャルと邦題から、謎解きミステリーという先入観を持ってしまうが、これは二人の息子と父親の愛・憎しみ・妬みをリアルに描いたヒューマンドラマとして観るべき。
離婚し娘にもルーザー呼ばわりされる借金だらけのダメな弟、企業の上役だが会社の金をちょろまかしドラッグまみれでその上夫婦の営みもろくにできない兄。そしてこの似てもにつかない二人の父親。ある事件がこの3人の登場人物の異なる視点で、「その土曜日、7時58分。」を基点として過去・未来に行き来しながら語られる。
事件4日前、兄は弟に強盗話を持ちかける。弟は娘にだけは良い格好をしたい。金のない八方塞がりの状況を打破するためにこの話にのる。ところが、兄が強盗の対象として指定した店は、自分たちの両親が経営する宝石店。両親に危害なく、店にかけられた保険があるため、みんなハッピーになるという筋書きは、一つの誤算からとんでもない方向へ。
時間軸をたくみに操作したプロット展開で最後までぐいぐい引っ張る。
フィリップ・シーモア・ホフマンの演技は当然ながらすごいけど(特に終盤、父親にぶたれて車の中で号泣するシーン)、イーサンホークもいいなぁ。ガダカの美青年がこんなへたれな役もやってしまうとは。あと、優しいけどどこかもの悲しい音楽も印象的。
2010.4.11★3.0
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