2010年12月27日月曜日

血のバレンタイン

30年前のホラー。古典的作品。当時のホラーは、ハロウィン、13日の金曜日、エイプリルフール、悪魔のサンタクロースのように、1年で特別な記念日を題材にするのに必死でこれもその一つ。凶悪な殺人マシンが凶器を持って出歩くのを自然にみせるため、鉱山=つるはしという設定にした。今観るとやっぱり古くさく、殺しのシーンも全然怖くないので、寝てしまった。プロムもそうだけどアメリカの若者がパーティパーティと躍起になっているのが理解できない。2010.12.26★1.5

2010年12月24日金曜日

ハロウィン

元祖ホラー映画のリメイク版。怖くない、ストーリーが単純、殺し方も安直。妹に固執していたことが読みきれない。刃物を落として妹に直進したのは何だったんだろう。抱きつこうとしたのか。冒頭の過去のシーンからは想像することができない。2010.12.23★1.5

2010年12月21日火曜日

サマーウォーズ

日本のアニメは本当に素晴らしいということを再認識できる映画。緻密に描き込まれたアニメーションはもちろん、ozというデジタルな世界と古き良き日本の大家族が見事に対比され、メッセージをわかりやすく伝えている。人口知能にのっとられるozシステムは、インターネットに頼り切った現代社会への警鐘であるが、一方でネット上のコミュニティが最終的に世界を救うというのは、この世界の可能性を示唆している。4億の人間が国も人種も越えて力をあわせるなんて、何か胸が熱くなった。ゴクウが元気玉つくるときに力をわけてもらうのよりずっとリアル。栄おばあちゃんが黒電話で方々に連絡するシーン。人のつながりが大切というメッセージ。遺書にも、遺産はないけど、周りの人がどうにかしてくれるという言葉があった。人間のつながりは何にも変えられない財産。
そんな強いメッセージを持ちながらも、美人で誰からも愛されるヒロインと頼りない主人公の恋を予感させるつくりもうまいと思った。
しかし、エンディングソングだけは全く納得できない。なんで山下達郎なんて使ったの?エンディングのさわやかな余韻が一気に引いていった。
2010.12.12★4.0-

シャネル&ストラヴィンスキー

シャネルもストラヴィンスキーも良い演技している。特にシャネル役の女優さん、「そしてデブノーの森へ」で旦那の父親との不倫を大胆に演じていた人で、必殺の表情を持っている。口を片方に少し上げ、にやっと笑うのだが、それが何とも言えないのだ。映像も美しくおしゃれ。エンディングも良かった。年老いた孤独な二人が一瞬映し出され、現実のバレエ講演のシーンに戻る。不思議な気持ちを引きずり、クレジットを眺めていると最後にまた意味深なシーン。モノクロの世界でシャネルが最愛のボーイとキスをする。シャネルは一人の人を最期まで愛し続けた。本当に愛情の深い女性だったのだろう。
2010.12.11★3.5

2010年12月15日水曜日

封印殺人映画

ホラー映画の歴史を知るにはもってこいの映画。ただし深く掘り下げている点はないので、過渡に期待しない方が良い。マイケルマイヤーズやジェイソン、フレディを生み出した本人達のインタビューと有名な殺人シーンがコラージュされて構成されている。こうやって時代をおって観てみると、昔の殺し方の方がえげつない気がする。2010.12.13★2.5

メタル ヘッドバンガーズ・ジャーニー

「メタル人類学」。この響きは、メタルの世界に浸かったことの有る人間にしかわからないだろう。監督は、自ら根っからのメタル人間。メタルの起源、不思議な共同体意識の背景を読み解くために、世界を旅する。エンディングはメタリカのマスターオブパペッツだったが、スラッシュメタルの系譜がもう少し軸として記録してほしかった。メガデスとかも含めて。監督は所謂様式美よりの人なんだろう。2010.12.13★3.0-

ジェラシー

1979年の映画。この精神分析医の主人公、何か髪型がそれっぽいと思っていたら、サイモン&ガーファンクルのアートガーファンクル。
自由奔放で束縛されることを嫌うヒロイン、ガーファンクル演じる精神分析医はそんな彼女を自分のものだけにしたいが当然二人の気持ちはすれ違う。ヒロインが自殺をはかり蘇生処理されるシーンから、ハーベイカイテル演じる刑事が精神分析医を尋問するかたちで物語が進む。尋問シーンと二人の関係が交互に、しかも順序を変えて時と場所をバラバラに並べて構成しており、ミステリーの色を強めていく。
ジェラシーが引き起こしたことなのか、後味は悪い。2010.12.11★3.0-

悪夢のエレベータ

どんでん返し系ミステリーとして良くできている。マンションのエレベーターの中に4人が閉じこめられる。チンピラ風、ゴスロリ、派手なおっさん、サラリーマン。密室=極限状態の中で濃いキャラクターの4人はお互い裏の貌を詮索し合う。というのはほんのさわりの部分で、サラリーマンが死んでしまうところから物語は急展開。サラリーマン以外3人は、実はグル。チンピラ風の男はしがない探偵を生業にしており、サラリーマンの妻から浮気調査を依頼されていた。他の二人はそのお手伝い。全く殺す予定ではなかったサラリーマンがちょっとした事故で(これが実は話の根幹につながっているのだが)死んでしまったので、3人はこれを自殺にみせるために屋上から突き落とすという計画に変更。この計画がまた物語を複雑にしていく。浮気相手の女性が飛び降りようとしていたり、頭のねじのゆるんだ管理人を殺してしまったり。。
オチは言われてみればそうかと思うが、初見だと必ずぞっとできます。2010.12.12★3.5-

ファム・ファタール

ブライアンデパルマ監督作品。カンヌ映画祭。パルムドールを受賞した映画監督がスーパーモデルと出席。そのモデルは1000万$の宝石を身にまとっている。その宝石を盗もうとする3人の強盗団。一人はこれまたスタイル抜群の女でメディアに変装して侵入。宝石をつけているモデルはレズビアンで、うまくトイレに誘い出し、あれこれしている最中に偽物の宝石と交換する手はず。ところが事件発生。モデルのボディーガードが異変に気づき、トイレに乱入。強盗団のリーダーが撃たれる。メディアに扮した女がそこで仲間を裏切り逃走。
時間は流れ、とある教会のシーン。裏切られた男達が女を追いつめる。女はホテルの吹き抜けから突き落とされるが、ここで謎の老夫婦が彼女を助け家にかくまう。どうやらこの老夫婦は自分の娘と人違いをしている。娘と女はうり二つの容姿。本当の娘は、旦那と娘を事故で亡くしてしまい失意の中にある。家にはアメリカ行きの航空チケットが。それをくすねる女。娘はチケットを無くしてしまったと勘違い。そして自殺。女は娘になりすましてアメリカへ逃亡。その飛行機の中金持ちの男(実は外務大臣)と仲良くなりそのまま結婚(そうしたことは物語の中ではあとで知ることになるけど)。
またまた時は流れ、バンデラス演じるパパラッチがアメリカ外務大臣の謎の妻を暴く依頼を受ける。バンデラスが撮った写真はメディアにでかでかと取りあげられ、当然強盗団の男達の目にもとまる。またまた強盗団の追跡劇がスタート。一方、バンデラスは、女の狂言によりはめられ誘拐犯に仕立て上げられてしまう。悪魔のような女は自分の旦那から身代金を取り上げ逃亡しようとする魂胆。そこに間抜けな強盗団の男もからみ、どたばた劇の果てに女は撃たれて川の中へ。。。
ここからがこの映画の見所。いっきにメタ要素が炸裂。
(超ネタバレ)
水の中に沈んでいった女。目を覚ますとそこは助けられた老夫婦の部屋のバスルーム。アメリカでの出来事は夢だった。夢オチ。夢の中で未来をみてきた。娘の自殺を防がないと自分の未来はこうなってしまう。。女は娘を助けるのだろうか。2010.11.27★3.5