2010年1月6日水曜日

ダウト

ストシーンのメリルストリープの嗚咽まじりの号泣が怖かった。「神に仕える者なのに、人を信じることができない。」そんな自分が許せないという独白だったと思うが、突然のことで呆気にとられた。そしてこのシーンは「この映画は純然なサスペンスでない」ということを提示しており、逆に釈然としない気持ちになった。
物語は、閉鎖的な神学校を舞台に展開される。古くからの規律を重んじ支配的に学校を統率しようとする校長と生徒への思いやりを根底に社会に開かれた新たな教会像を実現しようとする革新派の牧師。この構造はキリスト教のカソリックとプロテスタントの対立を喩えているものだろうか。その間で純粋に子ども達に愛情を注ぐ女性教師。
校長はこの牧師を忌み嫌っている。あることがきっかけで牧師が子どもたちに性的関係を強要しているという疑惑を持ち始める。校長は疑惑を確証するために、さんざん嘘をつきえぐい手をつかいながら牧師を失脚させようとする。校長室での二人の激論シーンは圧倒的な迫力。



3 2010.1.5

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