2010年1月6日水曜日

マーリー

物書きを生業にしている新婚の夫婦が新天地カリフォルニアに引っ越し、子育ての予行練習のつもりで子犬マーリーを飼う。この犬がどうしようもない馬鹿な犬で、珍騒動を次々と引き起こす。クッションの類は油断すると全て中の綿が剥き出しにされるし、旦那が妻に贈ったネックレスを丸飲みしてしまう。やんちゃが過ぎて時にはストレスにもなるが、次第に家族の一員としてかけがえのない存在になっていく。よくある子どもと犬のふれあいではなく、夫婦愛をテーマに深く掘り下げている点が物語を厚みのあるものにしている。

妻(ブラピのもと奥さん)はコラムニストとして才能があり、旦那はその才能に嫉妬している。だから、あくまで記者として生きていこうとするが、ちょっとしたきっかけでマーリーが引き起こす日々の事件を題材に新聞にコラムを掲載することになる。それが読者にも会社の社長にも受けて周りからは純粋なコラムニストでありつづけることを要求される。でもやはりリアルな現場を伝える記者の道を捨てきない。自分の力を試したく、新たな職を探そうとするがその矢先に子どもが出来てしまう。子育てが夫婦の時間を奪い、二人の間に距離をつくりはじめる。微妙な距離を感じながらも、夫婦はお互いを思いやり、3人の子どもを授かることになる。子育てとマーリーのやんちゃに疲れ切っても旦那のチャレンジを後押しする奥さんも立派。

映画としてこういった家族・夫婦の微妙な心の動きを丁寧に描いているので「犬出せば感動するよ」的な先入観は良い意味で裏切られた。マイドッグスキップは泣かなかったけど、これは泣けました。

マーリーはたまたま車でかかっていたボブマーリーからとられた名だが、うちで飼っていたジェットも帰り道にあったパチンコ屋から名付けたことを思い出した。
★3 2009.12.30

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