2010年5月6日木曜日

海辺の家

泣ける映画として評価の高い映画。確かに不良少年が次第に家族に心を開いていくストーリーと父親との熱いやり取り、離婚したけどやっぱりお互いを忘れられない夫婦の愛情が豊かにわかりやすく描かれている。父親が息子と妻に自分の余命を伝えるシーンは全員素晴らしい演技。それと、脇役の隣人達が良い味出している。隣に住んでいる独り身の熟女の娘の友人との情事。この物語には別に必要ないと感じたが、その罪の意識から家造りに男手を出させる部分につながる伏線なのか(多分その男達はこの熟女と関係した人たちだろう)。どちらにしてもあまり必要ない。息子も毎日隣家の娘と一緒にシャワーをあびたり、近所に少年趣味の男がいたり、何か性に対して自由すぎる人たちにあふれている。
海辺のボロ家に住む中年男。建築事務所で働く彼はCG時代に着いていこうとせず、ひたすら模型をつくることしかしないため、とうとうリストラされる。ムカツク会社の上司に解雇を宣告され、社内の模型をぼこぼこにぶち壊した直後、彼は路上に倒れ病院に運び込まれる。そして医者から余命4ヶ月を宣告される。
彼は残された時間でボロ家を建て替えることを決意し、その作業を通じて一人息子と大切な何かを共有しようとする。離婚した妻のもとにいた息子は、新しい父親とそりがあうわけがなく、ぐれにぐれ放題。シンナー、ドラッグ、売春、顎にピアス、紫の髪、大音量のメタルと手が着けられない状態だが、父親との時間により次第に自分を取り戻していく。
命の灯火が消えようとしている病床から、イルミネーションされた海辺の家を観るシーンは感動的。息子への最後の言葉は「ありがとう」とかではなく、「完成させろ。」だった。
2010.5.2★3.5

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