2010年9月1日水曜日

ゴーン・ベイビー・ゴーン

ベンアフレック監督というだけで、ちょっと小馬鹿にしていたけど、なかなか面白い。まず、映像の撮り方に感心した。アメリカのスラムがリアルに映し出されている。ドラム缶でたき火しているような退廃的な雰囲気のまち、それと貧しくても活き活きしている人の表情。構成もしっかりどんでん返ししていて楽しめる。物語は小さな女の子が誘拐されるところからはじまる。まちは大騒ぎ。警察の捜査を信用できない叔父・叔母は主人公である若い探偵を雇う。この探偵、少女が誘拐されたまちの出身でアンダーグラウンドな世界でそこそこに顔がきく。チンピラ仲間から仕入れた情報で、少女の母親が誘拐当日、バーで何時間も遊んでいたことを知る。母親はメディアの前で悲劇の女を演じているが、ドラッグ漬けで、育児を放棄したひどい母親。母親を問いつめたところ、遊び友達のドラッグの運び屋が捜査線上に浮上。この男は、ドラッグを売った金をちょろまかしており、ギャングのボスがこの金を取り戻すために少女を誘拐したという推理をたてる。警察もこれに便乗して、身元引き替え作戦を結構するが失敗。少女は湖の中へ。ギャングのボスも死亡。このあたりですでにエドハリスがまさかこんなちょろい役で終わらないなと裏読みはできる。
案の定裏にからんでいたのはエドと少女の叔父。エドの失言から探偵は真実へのルートをたぐり寄せていく。叔父はダメ母親から少女を救い出したかったので狂言劇にのった。少女を死なせたことにして、愛情を注いでくれる家族にあずける。それがモーガンフリーマン。
探偵の理性はゆれる。誘拐は犯罪、少女を連れ戻すことが正義。しかし、あのダメ母親のもとに帰ることは少女にとって本当の幸せなのか。
結局、母親は変わらなかった。少女にはどんな未来が待っているのだろう。
2010.8.18★3.5

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